ブルゴーニュ地方のブドウ畑(フランス) |
10年以上の長期で見た場合、為替ヘッジの有無が投資信託の運用成績にどれくらい影響を及ぼすものなのでしょうか。
日本を除く先進国の株式を投資対象にした先進国株式インデックスファンドについて、まとめてみました。
ファンドの特徴
比較するのは、日興アセットマネジメントの「インデックスファンド海外株式ヘッジあり(DC専用)」と「インデックスファンド海外株式ヘッジなし(DC専用)」です。それぞれ「MSCI-KOKUSAI インデックス(円ヘッジあり・円ベース)」と「MSCI-KOKUSAI インデックス(円ヘッジなし・円ベース)」をベンチマークにしています。
信託報酬(税抜)は「ヘッジあり」が年率0.28%、「ヘッジなし」が年率0.25%となっています。
為替ヘッジの有無による長期成績比較
下の表は基準価額の設定来の騰落率をまとめたものです。設定日は2002年12月10日で14年以上の運用実績があります。基準価額には税引前の分配金を再投資した分が含まれています。
騰落率は小数点3桁以下を四捨五入 |
ちなみに以前の記事だと騰落率は下の表のような数字で、今ほど差は開いていませんでした。
騰落率は小数点3桁以下を四捨五入 |
当時(2016年9月27日)の為替レートは、1ドル100.43円、1ユーロ112.61円(終値)でした。2017年4月20日現在の為替レートは、1ドル109.31、1ユーロ117.11円(終値)です。
1ドル100円台前半だった頃にくらべれば円安なので、その分、今は「ヘッジなし」の基準価額が上がっているということなのでしょうね。
年間収益率の推移
2016年は同年10月末までの騰落率 |
交付目論見書によると、リーマンショック後の年間収益率の推移は上の表のようになっています。良くも悪くも「ヘッジあり」のほうが値動きが穏やかですね。
まとめ
運用期間をどこで区切るかによっても成績は変わってしまうのですが、2002年の終わりごろに先進国株式インデックスファンドに投資した場合、今は「ヘッジなし」のほうが有利な結果が出ています。上記のファンドの設定日に100万円投資したとすると、2017年4月20日現在「ヘッジあり」は約246万円(2,458,150円)、「ヘッジなし」は約275万円(2,749,643円)で、30万円近い差がついています。
今回の結果だけを見ると「ヘッジなし」の方が魅力的に思えますが、値動きを小さくしたいなら投資資金の一部を「ヘッジあり」に割り当てるのも悪い選択ではないですよね。
こぼれ話
信託報酬以外に余分にかかるヘッジコストを考えると、円高対策には円建ての預貯金や個人向け国債を厚めに持っておくという選択肢もあります。
どんな組み合わせがいいのかはリスク許容度にもよりますし、どのくらいの変動なら耐えられるのか実際に投資してみないとわからない面もあるでしょうね。
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