北米・欧州・日本の構造的に強靭な企業に厳選して投資するという『農林中金<パートナーズ>おおぶねグローバル(長期厳選)』(2020年3月19日設定)の特徴や運用実績を先進国株式インデックスファンドや全世界株式インデックスファンドと比較してみました。
長期厳選投資をうたったアクティブファンドの実力は?
農林中金<パートナーズ>おおぶねグローバル(長期厳選)ほか特徴
アクティブファンドの『農林中金<パートナーズ>おおぶねグローバル(長期厳選)』(農林中金バリューインベストメンツ)は、北米・欧州・日本の構造的に強靭な企業の中から確信度が高いと考えられる20~30銘柄を厳選し長期投資を行うことで、長期安定的なリターンの獲得をめざしています。投資信託を保有中の運用管理費用は基準報酬 年0.3%以内(税抜)+ 成功報酬です。成功報酬はハイ・ウォーターマーク超過部分の10%(税抜)です。
基準価額が低迷しているときに高い運用管理費用を負担したくないというニーズに応えたものでしょうか。成功報酬型の投資信託については下のような手厳しい記事もあります。
・成果報酬型の商品というだけで安心する人が金融機関の「カモ」な理由(ダイヤモンド)
2020年11月末現在の組入銘柄は信越化学工業(日 素材化学メーカー)、日本電産(日 総合モーターメーカー)、ウォルト・ディズニー(米 メディアコングロマリット)、セコム(日 警備会社)、エルメス・インターナショナル(仏 宝飾品ブランド)、レキットベンキーザー・グループ(英 日用品メーカー)、ビザ(米 決済テクノロジー企業)、フックス・ペトロルブ(独 潤滑油メーカー)、3M(米 製造業コングロマリット)、アトラスコプコ(瑞 コンプレッサーメーカー)など25銘柄です。
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』(三菱UFJ国際投信)は、日本を除く先進国の株式市場を対象にした「MSCIコクサイ・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(年率)は税抜0.093%以内です。
ベンチマークの指数は北米、欧州、アジア・オセアニア、中東の先進国22ヵ国の大型株と中型株1,282銘柄で構成されています(2020年11月末現在)。
『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』(三菱UFJ国際投信)は、日本を含む世界の株式市場を対象にした「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(年率)は税抜0.104%以内です。
ベンチマークの指数は先進国と新興国を合せた49ヵ国の大型株と中型株2,990銘柄で構成されています(2020年11月末現在)。
今回、取り上げた投資信託は、外貨建資産に対し為替変動リスクを回避するための為替ヘッジは行いません。信託期間は、すべて無期限です。
おおぶねグローバル・先進国株式・全世界株式の運用実績
下のチャートは『農林中金<パートナーズ>おおぶねグローバル(長期厳選)』の設定来10ヵ月弱の基準価額の推移(2020年3月19日~2021年1月7日)を競合と比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
騰落率の比較は下の表の通りです(2021年1月7日現在)。
設定来騰落率は10ヵ月弱の数字です。
2021年1月7日現在の純資産総額は『農林中金<パートナーズ>おおぶねグローバル(長期厳選)』16.81億円(2020年3月19日設定)、『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』1,527.07億円(2017年2月27日設定)、『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』834.94億円(2018年10月31日設定)です。
コロナショックからの反発局面で余力(現金)を残した運用が裏目に出たのか、『農林中金<パートナーズ>おおぶねグローバル(長期厳選)』の設定来の騰落率は残念ながら現状ではインデックスファンドに劣後しています。
もう少し設定されるタイミングが早ければ、下落局面で余力をうまく活かすチャンスもあったかもしれないですね。
同じ「おおぶね」シリーズで米国上場企業を対象にした『農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね』は米国株式インデックスファンドのライバルに見劣りしていません。
・【iDeCoで節税】SBI証券セレクトプラン「米国株式」比較 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)、iFree NYダウ、おおぶね 過去のショック時の株価推移は?
『農林中金<パートナーズ>おおぶねグローバル(長期厳選)』は設定されてからまだ日が浅いので、しばらくしたら改めて運用実績を確認してみますね。国内株式や欧州株式の比率が高いため、世界景気が回復すれば巻き返す可能性もあるでしょうか。
・農林中金バリューインベストメンツ 奥野一成氏に聞く 株式投資は構造的に強靭な企業を選別する必要がある(MonJa)
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