成長企業に選別投資をする『ひふみプラス』の特徴と運用実績を国内株式インデックスファンドと比較してみました。
コロナ禍の成績とアクティブファンドの課題とは?
ひふみプラスと国内株式インデックスファンドの特徴
『ひふみプラス』(レオス・キャピタルワークス)は、長期的な将来価値に対して、市場価値が割安と考えられる成長企業に投資します。直販のひふみ投信と同じマザーファンドを通じて運用されています。国内だけでなく海外の企業にも投資先を広げています。外貨建資産は原則として為替ヘッジは行いません。
・国内最大級のアクティブファンド「ひふみ投信」、海外株投資で飛躍するレオス・キャピタルワークス(モーニングスター)
運用管理費用(年率)は純資産総額500億円までは税込1.078%(税抜0.98%)、500億円を超える部分は税込0.968%(税抜0.88%)、1,000億円を超える部分は税込0.858%(税抜0.78%)です。
『eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)』(三菱UFJ国際投信)は、東証一部上場の全銘柄を対象にした「TOPIX(東証株価指数)」に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(年率)は税込0.154%(税抜0.14%)以内です。
『<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド』(ニッセイAM)は、東証第1部上場のうち代表的な225銘柄を対象にした「日経平均株価(日経225)」に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(年率)は税込0.154%(税抜0.14%)以内です。
『eMAXIS JPX日経中小型インデックス』(三菱UFJ国際投信)は、「JPX日経中小型株指数」に連動する投資成果をめざします。
ベンチマークの指数は東京証券取引所の第一部、第二部、マザーズ、JASDAQから時価総額、売買代金、ROE(※)等を基に原則200銘柄を選定し算出されます。時価総額上位20%の大型株式を除外しています。
※ ROEとは自己資本利益率のことで企業の収益力を示します。
運用管理費用(年率)は税込0.44%(税抜0.4%)以内です。解約時の信託財産留保額(0.3%)が設定されています。
今回、取り上げた投資信託の信託期間は無期限です。
ひふみプラスと国内株式インデックスファンドの成績
下のチャートは過去3年間の基準価額の推移(2018年1月9日~2020年1月6日)を比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
騰落率の比較は下の表の通りです(2021年1月6日現在)。
コロナ・ショック時の調整局面の下落率は2020年2月6日~同年3月16日(日経平均のみ19日)の数字です。
ひふみプラスと国内株式インデックスファンド まとめ
・ウィズ・コロナ時代の投資戦略 藤野英人氏に聞く(日本経済新聞)日本経済新聞の記事によれば2月下旬には「ひふみ投信マザーファンド」の現金比率を約30%に高めていたそうで、コロナ・ショックによる下落率は国内株式インデックスファンドより控えめになっています。
ただ、アクティブ運用の『ひふみプラス』といえども、インデックスファンドに常勝とはいかないようで、ひふみアカデミーの動画によればワクチン報道をきっかけにマーケットが大きく上昇した2020年11月は参考指数であるTOPIXに劣後する結果になったようです。
・投信の年初来資金流出、「ひふみプラス」が1500億円超で首位(QUICK Money World)
2018年以降の低迷の影響か、それともコロナ・ショックからの戻り待ちの売りが多かったのか、資金流出が続いているのは惜しいですね。
・アクティブVSパッシブ、投資家の“実際の儲け”は?(モーニングスター)
アクティブファンドの場合、投資家の実際の儲けであるインベスターリターンが、ファンドを継続保有した場合のトータルリターンに見劣りしがちというデータがあります。
積立投資に利用されることの多いパッシブ(インデックス)ファンドに比べ、アクティブファンドは相場のタイミングを見て投資しようとする人が少なくないことも原因の一つのようです。
マーケットには好不調の波がつきものですから、人気化したファンドを高値づかみして、その後の下落ですぐ売ってしまったり、基準価額が戻ってきたところでやれやれの売りをしていては、なかなか思うようなリターンを獲得できないのも無理はないのかもしれないですね。
逆にいえば、長期運用を前提とするなら、マーケットが荒れ模様のときでも回復と成長を強く信じられるファンドを選ぶべきなのでしょうね。
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