ガレーヘッド Galley Head アイルランド (撮影Roland Mey/Pixabay) |
第3期(2020年7月15日決算)の運用報告書が公表された『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全世界株式))の実質コストや運用実績を全世界株式インデックスのライバルと比較してみました。
比較の対象は『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』です。
・バンガード日本撤退、日本の個人投資家への影響は?投資信託、ETFは大丈夫?(楽天証券トウシル)
結論から申し上げると、現存するETFや投資信託については、現在と変わりなく今後も海外拠点にて運用が継続されるため、心配の必要はありません。
今回閉鎖が決まった日本拠点のバンガード・インベストメンツ・ジャパンには、元から運用拠点としての機能はなかったためです。
良質なコンテンツの豊富な日本語WEBサイトが閉鎖予定なのは残念ですが、バンガードの関連ファンドの運用に支障はないとのことです。
楽天・全世界株式とオール・カントリーの特徴
『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』(楽天投信投資顧問)は、日本を含む世界の株式市場を対象にした「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。ベンチマークの指数は先進国と新興国を合わせた49ヵ国の大型株・中型株・小型株で構成されています。世界の株式市場の時価総額のうち98%以上をカバーしています。
投資信託を保有中の運用管理費用(年率)は税込0.212%程度です。
2020年7月末現在(同年8月末月報より) |
楽天・全世界株式インデックス・ファンド 2020年7月末現在(同年8月末月報より) |
『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』(三菱UFJ国際投信)は、日本を含む世界の株式市場を対象にした「MSCI ACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックス)」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
ベンチマークの指数は先進国と新興国を合せた49ヵ国の大型株と中型株で構成されています。世界の株式市場の時価総額のうち約85%をカバーしています。
運用管理費用(年率)は税込0.1144%以内です。
2020年8月末月報より |
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 2020年8月末月報より |
今回、取り上げた投資信託は、原則として外貨建資産の為替ヘッジは行いません。信託期間は無期限です。
楽天・全世界株式とオール・カントリーの実質コスト
少数第3位未満は四捨五入 |
上記の数字は推計による概算値であることに注意してください。
運用管理費用(信託報酬)以外に売買委託手数料や有価証券取引税、その他費用(保管費用、監査費用等)を含めたものが実質コストになります。
『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』の実質コスト(年率 0.261%)は、第3期(2019年7月17日~2020年7月15日)の運用報告書(PDF)の1万口当たりの費用明細の合計に実質的な投資対象である投資信託証券の報酬(VT 経費率0.08%)を加えています。
費用明細の合計 0.181% + VTの経費 0.080% = 0.261%
『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』の実質コスト(年率 0.204%)は、第2期(2019年4月26日~2020年4月27日)の運用報告書(PDF)の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年(365日)相当に改めて、現時点の信託報酬を加えています。
信託報酬以外の諸経費 0.090% ×(365日 ÷ 第2期の日数 368日)+ 信託報酬 0.1144% = 0.204%(少数第3位未満四捨五入)
楽天・全世界株式とオール・カントリーの運用実績
下のチャートは後発の『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』設定来1年10ヵ月半強の期間で基準価額の推移(2018年10月31日~2020年9月16日)を比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。コロナショックで基準価額の変動が激しいです。
基準価額の推移 2018年10月31日~2020年9月16日 過去の実績は将来を保証するものではありません |
騰落率の比較は下の表の通りです(2020年9月16日現在)。
調整局面の上昇率は2020年3月24日~同年9月16日の数字、下落率は2020年2月21日~同年3月24日の数字、設定来騰落率は1年10ヵ月半強の数字です。
2020年9月16日現在 過去の実績は将来を保証するものではありません |
中小型株も幅広くカバーした『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』のほうが、良くも悪くも基準価額の変動幅が若干大きめのようです。
・危機乗り越える世界株投資 夫婦で4000万円目指す(日本経済新聞)
日本経済新聞によると、リーマン・ショック時に株価が回復するまで全世界株式の積立投資を継続していた場合(2008年8月末~2013年2月)、4割ほどの利益が出ていたそうです。
出典:危機乗り越える世界株投資 夫婦で4000万円目指す(日本経済新聞)グラフB https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56751740T10C20A3I00000/ |
あれこれ悩むくらいなら、投資信託1本で国際分散投資が実践できる、低コストな全世界株式インデックスファンドをコツコツ積み立てていくというのも堅実な方法かもしれないですね。
資産運用には好不調の波がつきものですから、預貯金等の安全資産や生活防衛資金の備えも忘れないようにしたいです。
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