信託報酬率の引き下げが発表された『eMAXIS Slim 全世界株式』3種の特徴と運用実績を『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』と比較してみました。
『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』『同(3地域均等型)』『同(除く日本)』の信託報酬(運用管理費用)は、2019年8月9日より税込0.15336%(税抜0.142%)から税込0.12960%(税抜0.120%)に引き下げられる予定です(PDF)。
2019年7月22日設定の『たわらノーロード 全世界株式』に若干遅れての引き下げになるようです。同ファンドの信託報酬は税込0.12960%(税抜0.120%)です(PDF)。
全世界株式インデックスファンドの特徴
『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』は、日本を含む世界の株式市場を対象にした「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。ベンチマークの指数は、日本を含む先進国と新興国合せて49ヵ国の大型株と中型株で構成されています。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 2019年6月末月報より |
『eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)』は、日本を含む世界の株式市場の値動きに連動した投資成果をめざします。
「TOPIX(東証株価指数)」※1、「MSCIコクサイ インデックス」(円換算ベース)※2、「MSCI エマージング・マーケット・インデックス」(円換算ベース)※3を均等に組み合わせた合成指数がベンチマークです。
※1は東証一部上場の全銘柄を対象にした指数、※2と※3は大型株と中型株を対象にした指数です。3つ合せると49ヵ国をカバーしています。
eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型) 基本投資割合と国・地域別構成比 2019年6月末月報より |
『eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)』は、日本を除く世界の株式市場を対象にした「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本)」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
ベンチマークの指数は、日本を除く先進国と新興国合せて48ヵ国の大型株と中型株で構成されています。
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) 2019年6月末月報より |
『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全世界株式))は、日本を含む世界の株式市場を対象にした「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
ベンチマークの指数は先進国や新興国市場を含む49ヵ国の大型株から小型株まで幅広くカバーしています。
信託報酬(運用管理費用)は税込0.21960%程度です。諸経費を含めた実質コストは第2期途中の参考値では年率0.311%です。
『eMAXIS Slim 全世界株式』3種の実質コストは年率0.250%前後です。
・『eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)』と『同 全世界株式』3種の実質コストと運用実績を比較・評価 たわらノーロードからオール・カントリーのライバルが登場し競争に期待
楽天・全世界株式インデックス・ファンド 2019年5月末現在(同年6月末月報より) |
今回、取り上げた投資信託は原則として外貨建資産の為替ヘッジは行いません。信託期間はすべて無期限です。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)ほか運用実績
下のチャートは、最後発の『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』設定来およそ8ヵ月半(2018年10月31日~2019年7月16日)の期間で基準価額の推移を比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。貿易摩擦や景気減速懸念などにより株価の変動が激しくなっています。
基準価額の推移 2018年10月31日~2019年7月16日 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
騰落率の比較は下の表の通りです(2019年7月16日現在)。
2019年7月16日現在 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
なるべくシンプルに投資したいなら、信託報酬(運用管理費用)が低廉で世界の株式市場にまとめて投資できる『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』と預貯金等の安全資産の組み合わせは魅力的な選択肢かもしれないですね。
地域分散の観点から国内株式や新興国株式にもう少し比重を置きたいなら『eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)』が候補になるでしょうか。国内の個別株にすでに投資している場合には『eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)』が有用でしょうね。
大型株から小型株まで幅広い銘柄に投資したいなら『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』という選択肢もありますね。
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