アクティブファンドである『フィデリティ・米国株式ファンド』の特徴と運用実績を米国株式や先進国株式のインデックスファンドと比較してみました。
比較の対象は『楽天・全米株式インデックス・ファンド』、『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』、『iFreeNEXT NASDAQ100インデックス』、『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』です。
フィデリティ・米国株式ファンドほか特徴
アクティブファンドの『フィデリティ・米国株式ファンド』は、面談調査も含むボトム・アップ・アプローチを重視した企業分析により将来有望な成長企業やファンダメンタルズに対し株価が割安な企業に投資します。今回、取り上げるのは、決算頻度や為替ヘッジの有無の異なる4コースのうち、Bコース(資産成長型・為替ヘッジなし)です。信託期間は2028年5月22日まで、となっています。
2019年2月末現在(同年4月付月報より) |
『楽天・全米株式インデックス・ファンド』(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式))は、米国株式市場の投資可能な銘柄のほぼ100%をカバーした「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(年率)は税込0.1696%です。
2019年2月末現在(同年3月末月報より) |
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』は、米国株式市場の時価総額のおよそ8割を占める大型株約500銘柄を対象とした「S&P500指数」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(年率)は税込0.1728%です。
2019年3月末月報より |
『iFreeNEXT NASDAQ100インデックス』は、「NASDAQ100指数」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(年率)は税込0.486%です。
NASDAQ(ナスダック)は米国にある世界最大の新興企業向けの株式市場です。米国以外の企業を含みハイテク(IT)関連銘柄の比率が高いのが特徴です。「NASDAQ100指数」は時価総額上位100銘柄(金融銘柄を除く)で構成されています。
実質的な投資先である「INVESCO QQQ TRUST SERIES 1」は103銘柄を組み入れています(2019年3月1日現在)。
2019年3月1日現在 |
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』は、日本を除く先進国の株式市場を対象にした「MSCIコクサイ・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(年率)は税込0.11772%です。
2019年3月末月報より |
2019年3月末月報より |
今回、取り上げたインデックスファンドは原則として為替ヘッジを行いません。信託期間は無期限です。
フィデリティ・米国株式ファンドほか成績
下のグラフは『フィデリティ・米国株式ファンド』設定来の基準価額の推移(2018年5月22日~2019年4月17日)を『楽天・全米株式インデックス・ファンド』や『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』と比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
基準価額の推移 2018年5月22日~2019年4月17日 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
下のグラフは後発の『iFreeNEXT NASDAQ100インデックス』設定来(2018年8月31日~2019年4月17日)で基準価額の推移を比べたものです。
起点の基準価額を1万円に統一しています。
基準価額の推移 2018年8月31日~2019年4月17日 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
騰落率の比較は下の表の通りです(2019年4月17日現在)。設定来騰落率は11ヵ月弱の数字です。
2019年4月17日現在 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
2019年4月17日現在、『フィデリティ・米国株式ファンド』の純資産総額は4つのコースを合わせると1034.4億円になります。
株式を対象にした投資信託は、先進国株式インデックスファンドのように銘柄の幅広く分散されたものでも短期間で基準価額が大きく変動する場合があります。
預貯金等の安全資産をしっかり確保しておかないと、途中で脱落してしまいかねないですよね。
まとめ
『フィデリティ・米国株式ファンド』(2018年5月22日設定)は先行する『楽天・全米株式インデックス・ファンド』(2017年9月29日設定)を純資産総額で上回るなど人気ファンドのようです。SBI証券のWEBサイトでも特集ページが作られていて、運用担当者の過去の実績がアピールされています。厳選された銘柄に投資できるのは魅力的ですが、過去に成功した投資戦略が将来も有効かは未知数です。
相場に好不調の波はつきもので、アクティブ運用の投資信託といえども調整局面を回避するのは極めて困難です。信託期間が限られていると不本意なタイミングで償還されてしまう恐れもあります。
成長力を重視するなら、新興市場を対象にした『iFreeNEXT NASDAQ100インデックス』のようなインデックスファンドも選択肢の一つかもしれません。値動きの激しさはポートフォリオのスパイス向けでしょうか。
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