『楽天・全米株式インデックス・ファンド』(楽天投信投資顧問)の運用実績をレバレッジ型の『iFreeレバレッジ S&P500』や『iFreeレバレッジ NASDAQ100』と比較してみました。
『iFreeレバレッジ S&P500』(大和投資信託)や『iFreeレバレッジ NASDAQ100』(大和投資信託)は、日々の基準価額の値動きがベンチマークの指数(米ドルベース)の2倍程度になることをめざしたファンドです(為替ヘッジあり)。
レバレッジ型ファンドの注意点についても簡単にまとめてみました。
楽天・全米株式ほか運用実績
下のチャートは、基準価額の推移を最後発の『iFreeレバレッジ NASDAQ100』設定来1年2ヵ月弱の期間(2018年10月19日~2019年12月10日)で比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
基準価額の推移 2018年10月19日~2019年12月10日 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
騰落率の比較は下の表の通りです(2019年12月10日現在)。
下落率は2018年12月4日~同年12月25日の数字、上昇率は2018年12月25日~2019年12月10日の数字、設定来騰落率は1年2ヵ月弱の数字です。
2019年12月10日現在 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
レバレッジ型ファンドを利用すると通常のインデックスファンドより大きく増やせる可能性がある一方で、短期間で大やけどを負いかねない怖さもありますね。
もし、レバレッジ型ファンドで1,000万円を運用していたとしたら、上記の期間の調整局面では1ヶ月もしないうちに300万円以上を失っていた可能性があります。
上昇時だけでなく下落時もレバレッジによって値動きが大きくなるので、まとまった額を運用していると冷静な判断力を保つのが難しくなりますよね。パニックになって底値で投げ売りをしてしまわないとも限らないです。
レバレッジ型ファンドの注意点
『iFreeレバレッジ S&P500』や『iFreeレバレッジ NASDAQ100』は日々の基準価額の値動きがベンチマークの指数(米ドルベース)の2倍程度になることをめざします。株式の組入総額と株価指数先物取引の買建玉の時価総額の合計額が、原則として信託財産の純資産総額の2倍程度になるように調整します。
ファンドの保有期間が2日以上の場合の投資成果は、通常「2倍程度」にはなりません。
出典:iFreeレバレッジ S&P500 交付目論見書9P |
指数が上昇・下落をしながら動いた場合には、基準価額が押し下げられることになります。
出典:iFreeレバレッジ S&P500 交付目論見書9P |
レバレッジ型ファンドは、一般的には時間の経過とともに指数とのかい離が拡大し減価する傾向にあるため長期保有には向かないと言われています。
下記の記事では「短期売買が主体のセミプロ向け」とされています。
・指数横ばいでも損? レバレッジ型投信の値動きに迫る(NIKKEI STYLE マネー研究所)
まとめ
『iFreeレバレッジ S&P500』と『iFreeレバレッジ NASDAQ100』の両方とも、設定から半年も経過しないうちに10,001円からスタートした基準価額が2018年12月時点で6,000円台にまで落ち込んでいます。レバレッジをかけているため、相場が荒れ模様になると基準価額の下落するスピードは思った以上に速い印象です。直近は株式市場が反発して基準価額も回復傾向にあるものの、景気後退局面が来て株式市場が本格的な調整局面を迎えた場合にどうなるのか心配ですよね。
もし資産が大きく毀損した状態で繰上償還されたりしたら、深刻な損失を被りかねない恐れもあるでしょうか。セミプロの方以外は、米国株人気につられて安易に手を出さないほうが賢明かもしれないですね。
・実績比較『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』『iFreeレバレッジ S&P500』指数の数倍の値動きをめざすレバレッジ型の注意点とは?
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