

同じ新興国株式インデックスファンドでも少しずつ中身が違う? 特徴や実質コスト、実績を比べてみました。
比較の対象は『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』、『SBI・新興国株式インデックス・ファンド』、『iFree 新興国株式インデックス』、『楽天・新興国株式インデックス・ファンド』です。
上記の投資信託は、『楽天・新興国株式インデックス・ファンド』を除き、つみたてNISA対象商品です。
新興国株式の特徴は?
『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』は新興国の株式市場を対象にした「MSCI エマージング・マーケット・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。ベンチマークの指数はアジア、中南米、中東・アフリカ、欧州の24ヵ国・地域で構成されています。
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2018年12月末月報より |
『SBI・新興国株式インデックス・ファンド』(愛称:雪だるま(新興国株式))のベンチマークは「FTSE エマージング・インデックス」(円換算ベース)です。
一般的な新興国株式インデックスファンドに採用されているMSCIのエマージング指数と違い、FTSEでは新興国にクウェートが含まれ、韓国、ポーランドは含まれていません(韓国、ポーランドは先進国に定義されています)。
ファンドは「シュワブ エマージング・マーケッツ エクイティ ETF」(SCHE)を実質的な投資対象にしています。同ETFは990銘柄を組み入れています(2019年1月18日現在)。
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2018年12月末月報より |
『iFree 新興国株式インデックス』は、ファンダメンタル(株主資本、キャッシュフロー、売上、配当)に着目した「FTSE RAFI エマージング インデックス」(円換算ベース)をベンチマークにしています。
指数の構成国は13ヵ国と少なめです(「FTSE エマージング・インデックス」は23ヵ国、「MSCI エマージング・マーケット・インデックス」は24ヵ国)。
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組入銘柄数は米国籍ETF1、先物1を含む 2018年12月末月報より |
『楽天・新興国株式インデックス・ファンド』(愛称:楽天・バンガード・ファンド(新興国株式))のベンチマークは「FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックス」(円換算ベース)です。大型株から小型株まで幅広くカバーしています。
ファンドは「バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF」(VWO)を実質的な投資対象にしています。2018年11月末現在、同ETFは4,666銘柄を組み入れています。
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2018年11月末現在(同年12月末月報より) |
今回取り上げた投資信託は、為替変動リスクを回避するための為替ヘッジは原則として行いません。信託期間はすべて無期限です。
新興国株式の実質コスト
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項目ごとに小数第3位未満は四捨五入 |
上記は運用報告書の1万口当たりの費用明細から実質コストの概算値を推計したものです。
『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』は第1期(2017年7月31日~2018年4月25日)の1万口当たりの費用明細を1年相当に改めて、2018年7月25日変更後の信託報酬率を当てはめています。
『SBI・新興国株式インデックス・ファンド』は第1期(2017年12月6日~2018年11月12日)の1万口当たりの費用明細を1年相当に改めて、投資対象ETFの報酬を加算しています。
『iFree 新興国株式インデックス』は第2期(2017年7月6日~2018年7月5日)の1万口当たりの費用明細を抜粋しています。
『楽天・新興国株式インデックス・ファンド』は第1期(2017年11月17日~2018年7月17日)の1万口当たりの費用明細を1年相当に改めて、投資対象ETFの報酬を加算しています。
新興国株式の運用実績
後発の『SBI・新興国株式インデックス・ファンド』設定来(2017年12月6日~2019年1月21日)の基準価額の推移は下のグラフの通りです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
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基準価額の推移 2017年12月6日~2019年12月21日 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
騰落率の比較は下の表の通りです(2019年1月21日現在)。
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2019年1月21日現在 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
一口に新興国株式と言っても、前述の通りベンチマークがそれぞれ異なりますので、運用成績はそれぞれに好調な時期、不調な時期があるものと思われます。
まとめ
『eMAXIS Slim 新興国株式インデックス』は一般的な指数をベンチマークに採用していて純資産総額も120億円を超えています。『SBI・新興国株式インデックス・ファンド』は実質コストが低廉な一方で、MSCIのエマージング指数とは構成国に若干違いがある点には注意が必要です。
『iFree 新興国株式インデックス』はファンダメンタルに着目したスマートベータ指数をベンチマークに採用しています。実質コストの高さが課題でしょうか。
『楽天・新興国株式インデックス・ファンド』は大型株から小型株まで網羅しているのが特長です。2期目以降の実質コストの改善に期待したいです。
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