『ひふみ年金』の特徴と運用実績を、SBI証券の個人型確定拠出年金(iDeCo)で投資可能な投資信託と比較しながら、簡単にまとめてみました。
比較の対象は『SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ <DC年金>』、『三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド』、『eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)』、『iFree NYダウ・インデックス』です。
『三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド』はSBI証券iDeCoのオリジナルプランのみ、『eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)』はセレクトプランのみ、それ以外の投資信託は両方のプランにラインナップされています。
ひふみ年金ほか投資信託の特徴は?
アクティブファンドの『ひふみ年金』(レオス・キャピタルワークス)は、長期的な将来価値に対して市場価値が割安と考えられる成長企業に投資します。直販のひふみ投信と同じマザーファンドを通じて運用されています。状況に応じて株式を売却して現金比率を高める場合があります(最大で50%未満)。
運用管理費用(年率)は税抜0.76%です。
中小型株のイメージが強い『ひふみ年金』ですが、大型株の比率が44.6%に達しています。
2019年9月末現在 |
海外株の比率は13.9%です。原則として外貨建資産の為替ヘッジは行いません。
ひふみ年金 業種別構成比 2019年9月末現在 |
アクティブファンドの『SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ <DC年金>』(SBIアセットマネジメント)は、株価が下落した銘柄から財務安定性に優れ、業績も安定しており、わが国の経済社会に貢献すると考えられる企業の株式に投資します。
運用管理費用(年率)は税抜1.5%です。解約時の信託財産留保額(0.3%)が設定されています。
SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ <DC年金> 業種別構成比 2019年10月末現在 |
パッシブファンドの『三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド』(三井住友DSアセットマネジメント)と『eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)』(三菱UFJ国際投信)は、東証一部上場の全銘柄を対象とした東証株価指数(TOPIX)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(年率)は税抜0.16%です。
TOPIX(東証株価指数) 業種別構成比 2019年9月末現在 |
パッシブファンドの『iFree NYダウ・インデックス』(大和投資信託)は、米国を代表する優良30銘柄を対象としたダウ・ジョーンズ工業株価平均(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。原則として為替ヘッジは行いません。
運用管理費用(年率)は税抜0.225%です。
ダウ・ジョーンズ工業株価平均(NYダウ) 業種別構成比 2019年10月末現在 |
今回、取り上げた投資信託の信託期間は、すべて無期限です。
ひふみ年金ほか投資信託の運用実績は?
下のチャートは、『ひふみ年金』ほか過去3年間の基準価額の推移(2016年11月7日~2019年11月6日)を比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
基準価額の推移 2016年11月7日~2019年11月6日 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
中小型株の比率の高い投資信託は良くも悪くも値動きが大きいので、過去の好調な時期の運用成績だけを見て投資を決めてしまうと弱気相場入りした時に保有し続けることができず損切りすることになりかねない恐れもありますね。
『eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)』も含めた騰落率の比較は下の表の通りです(2019年11月7日現在)。
2019年11月6日現在 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
過去3年の騰落率は『ひふみ年金』よりも『iFree NYダウ・インデックス』のほうがさらに好調ですが、米国1ヵ国の30銘柄への集中投資である点には注意が必要かもしれませんね。
長期の資産運用でバランスファンドのような分散投資が定石とされるのは、高いリターンを望みすぎると必然的にもリスクも大きくなって値動きの激しさについていくのが難しくなるから、という面もあるかと思います。
アクティブファンドでは、投資家の実際の儲けであるインベスターリターンがファンドのトータルリターンに見劣りするというデータもあります。高値づかみや底値での投げ売りも少なくないのでしょうね。
・アクティブVSパッシブ、投資家の“実際の儲け”は?(モーニングスター)
長期投資が前提の確定拠出年金では、そのギャップが改善するというデータもあるようですが、無理な背伸びをしすぎないというのも、やはり大事でしょうか。
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