純資産が急増中の『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』と『SBI・V・S&P500インデックス・ファンド』の特徴や運用実績を『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』と比較してみました。
すべて、つみたてNISA対象商品です。つみたてNISAは少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度(金融庁)です。
スリム米国株式、SBI・V・S&P500ほか特徴
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』(三菱UFJ国際投信)と『SBI・V・S&P500インデックス・ファンド』(SBIアセットマネジメント)は、米国株式市場の時価総額のおよそ8割を占める大型株約500銘柄を対象とした「S&P500指数」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。投資信託を保有中の運用管理費用(年率)は『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』が税込0.0968%以内、『SBI・V・S&P500インデックス・ファンド』が税込0.0938%程度です。
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』(三菱UFJ国際投信)は、日本を除く先進国の株式市場を対象にした「MSCIコクサイ・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
ベンチマークの指数は北米、欧州、アジア・オセアニア、中東の22ヵ国の大型株と中型株で構成されています。
運用管理費用(年率)は税込0.1023%以内です。
今回、取り上げた投資信託は原則として為替ヘッジを行いません。信託期間は無期限です。
スリム米国株式、SBI・V・S&P500ほか運用実績
下のチャートは『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』の過去3年の基準価額の推移(2018年10月5日~2021年10月4日)を先進国株式インデックスファンドと比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
『SBI・V・S&P500インデックス・ファンド』も含めた騰落率の比較は下の表の通りです(2021年10月4日現在)。
調整局面の下落率は2020年2月21日~同年3月24日の数字と2018年10月4日~同年12月25日の数字です。
『SBI・V・S&P500インデックス・ファンド』の販売会社に初期のSBI証券のほかにauカブコム証券、SMBC日興証券、岡三オンライン証券、佐賀銀行、マネックス証券が追加されました。
2021年10月4日現在の純資産総額は『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』6,408.75億円(2018年7月3日設定)、『SBI・V・S&P500インデックス・ファンド』3,188.40億円(2019年9月26日設定)、『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』2,440.97億円(2017年2月27日設定)です。
先進国株式インデックスファンドより設定から日が浅いにもかかわらず、米国株式インデックスファンドの伸びが顕著です。
・2021 Long-Term Capital Market Assumptions 長期見通し(円ベース)(PDF/J.P.モルガン)
過熱感も指摘されている米国に比べ、出遅れている地域の巻き返しの可能性も気になるところでしょうか。
下記は円換算ベース(為替ヘッジなし)の期待リターン(幾何平均)です。
米国大型株式 2.7%
先進国株式(除く日本) 3.4%
欧州大型株式 5.0%
日本大型株式 5.1%
新興国株式 5.8%
予測が当たるかはわかりませんが、こうした見方もあるということは頭の片隅に置いておきたいです。
市場の急落時、売却前に考えてほしいこと3つ
・市場急落局面にみる「株式のチカラ」~これまでの米国株式を例に考える~(日興AM)これまで何度も危機を乗り越えてきた米国株式の回復力は魅力的ですよね。
・ゴールドマン、米経済成長が来年に急減速と予想-コロナの影響継続で(ブルームバーグ)
上記のほかインフレ懸念や債務上限問題など悲観的なニュースが直近も報道されていますが、世界最大級の資産運用会社バンガードはマーケットの急落時に売却を実行する前に考えてほしいことを3つ挙げています(「ポートフォリオを変更して現金化を急がないほうが良い理由」より)。
1.市場が下落しているときに、ポートフォリオを変更して資産を売却すれば、損失が「確定」します。
2.再び市場に参入するタイミングを決める必要があります。
3.市場の最も良い時期を見逃すことで、投資目標の達成が難しくなる可能性があります。
バンガードによれば、2000年~2019年まで20年間、株式(S&P500指数)に10万ドルを投資して運用を続けていれば32万ドルになったそうです(年平均リターンは6%強)。
ただし、途中で運用を中断してパフォーマンスが最高だった25日間を逃していた場合には元本割れ(10万ドル → 9万1,000ドル)もあり得たようです。
インデックス投資で「マーケットに居続けるべき」と言われる理由の一つはタイミング投資がとても難しいからですよね。
S&P500指数の過去40年の日次リターンでベスト20の取引日のうち13日は年間リターンがマイナスの年に出現したそうです。
またワースト20の取引日のうち9日は年間リターンがプラスの年に出現したそうです(バンガード「市場の下落期に避けるべき3つの過ち」より)。
ランダムに動く株価の先読みは大変困難で、不安にかられてマーケットから退出してしまうと大きなプラスを取り逃してしまう可能性もあるということですね。
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