第2期の運用報告書が公表された『iFreeNEXT FANG+インデックス』の実質コストや運用実績を米国株式インデックスファンドのライバルと比較してみました。
比較の対象は『iFreeNEXT NASDAQ100インデックス』、『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』、『楽天・全米株式インデックス・ファンド』です。
iFreeNEXT FANG+ほか業種別構成比と組入上位10銘柄
『iFreeNEXT FANG+インデックス』(大和投資信託)は、「NYSE FANG+指数」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。同指数はフェイスブック、アップル、アマゾン・ドット・コム、ネットフリックス、グーグル(アルファベット)、アリババ、バイドゥ、エヌビディア、テスラ、ツイッターの10社に等金額投資したポートフォリオで構成されています。
四半期(3・6・9・12月)ごとに等金額となるようリバランスを行ないます。
運用管理費用(年率)は税込0.7755%です。
「株式 業種別構成比」外国投資信託・先物を除外 2020年2月末月報より |
『iFreeNEXT NASDAQ100インデックス』(大和投資信託)は、「NASDAQ100指数」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
NASDAQ(ナスダック)は米国にある世界最大の新興企業向けの株式市場です。米国以外の企業を含みハイテク(IT)関連銘柄の比率が高いのが特徴です。「NASDAQ100指数」は時価総額上位100銘柄(金融銘柄を除く)で構成されています。
2020年2月末の月報によると、103銘柄を組み入れています(外国投資信託1銘柄、外国株式 先物1銘柄を除く)。
運用管理費用(年率)は税込0.495%です。
「株式 業種別構成比」外国投資信託・先物を除外 2020年2月末月報より |
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』(三菱UFJ国際投信)は、米国株式市場の時価総額のおよそ8割を占める大型株約500銘柄を対象とした「S&P500指数」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(年率)は税込0.0968%以内です。
2020年2月末月報より |
『楽天・全米株式インデックス・ファンド(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式))』(楽天投信投資顧問)は、米国株式市場の投資可能な銘柄のほぼ100%をカバーした「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(年率)は税込0.162%程度です。
2020年1月末現在(同年2月末月報より) |
今回、取り上げた投資信託は、原則として為替リスクを回避するための為替ヘッジを行いません。信託期間は、すべて無期限です。
iFreeNEXT FANG+ほか米国株式インデックスファンドの実質コスト
少数第3位未満は四捨五入しています |
運用管理費用(信託報酬)以外に売買委託手数料や有価証券取引税、その他費用(保管費用、監査費用等)を含めたものが実質コストになります。
上記の数字は最新の信託報酬率を適用した推計による概算値であることに注意してください。
『iFreeNEXT FANG+インデックス』の実質コスト(年率 0.819%)は、第2期(2019年1月31日~2020年1月30日)の運用報告書(PDF)の1万口当たりの費用明細に現時点の信託報酬率を当てはめています。
信託報酬以外の諸経費 0.043% + 信託報酬 0.776% = 0.819%
『iFreeNEXT NASDAQ100インデックス』の実質コスト(年率 0.617%)は、第1期(2018年8月31日~2019年8月30日)の運用報告書(PDF)の1万口当たりの費用明細に現時点の信託報酬率を当てはめて、2020年2月末の月報で26.4%ほど含まれる海外ETF(QQQ)の経費(0.20%)を加えています。
信託報酬以外の諸経費 0.069% + 信託報酬 0.495% + QQQの経費(0.200% × 0.264)= 0.617%
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』の実質コスト(年率 0.177%)は、第1期(2018年7月3日~2019年4月25日)の運用報告書(PDF)の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年相当に改めて、現時点の信託報酬率を当てはめています。
信託報酬以外の諸経費 0.065% ×(365日 ÷ 第1期の日数 297日)+ 信託報酬 0.097%(※) = 0.177%
※受益者還元型の信託報酬は純資産総額683.59億円で計算(500億円未満の部分 税込0.0968%、500億円以上1,000億円未満の部分 税込0.09625%)
『楽天・全米株式インデックス・ファンド』の実質コスト(年率 0.225%)は、第2期(2018年7月18日~2019年7月16日)の運用報告書(PDF)の1万口当たりの費用明細の信託報酬以外の諸経費を1年相当に改めて、現時点の投資信託の信託報酬と実質的な投資対象である海外ETF(VTI)の報酬(0.03%)を加えています。
信託報酬以外の諸経費 0.063% ×(365日 ÷ 第2期の日数 364日)+ 投資信託の信託報酬 0.132% + VTIの経費 0.030% = 0.225%
iFreeNEXT FANG+ほか米国株式インデックスファンドの運用実績
下のチャートは基準価額の推移を後発の『iFreeNEXT NASDAQ100インデックス』設定来1年7ヵ月弱の期間(2018年8月31日~2020年3月27日)で比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。
基準価額の推移 2018年8月31日~2020年3月27日 過去の実績は将来を保証するものではありません |
騰落率の比較は下の表の通りです(2020年3月27日現在)。
調整局面の騰落率は2020年2月20日~同年3月17日の数字、設定来騰落率は後発の『iFreeNEXT NASDAQ100インデックス』設定来1年7ヵ月弱の数字です。
2020年3月27日現在 過去の実績は将来を保証するものではありません |
・米株式市場に富の偏在-時価総額に占める上位5社の割合が過去最大に(ブルームバーグ)
過去6ヵ月、過去1年の騰落率で『iFreeNEXT FANG+インデックス』や『iFreeNEXT NASDAQ100インデックス』が堅調なのは、ハイテク大手が景気後退を迎えた場合にも相対的に有利な銘柄として選好された面もあるようです。
ただ、直近は両者ともにコロナショックで大きく値下がりしています。
・コロナショックに翻弄される米国株 下値目処は?(ピクテ投信)
・大きく考える投資。イノベーションへの投資。(PDF/日興AM)
リスク許容度が高く長期目線で投資できるなら、社会の変革を促すようなイノベーションを起こす企業への投資はスリリングで魅力的かもしれませんね。
出典:大きく考える投資。イノベーションへの投資。 (日興AM)5ページより引用 |
iFreeNEXT FANG+ほか積立投資の成績
2019年1月から毎月1日を積立の設定日にしています(約定日は翌営業日)。1日が休日の場合は後ずれします。通算成績を計算する現時点の基準価額をもとに各年月の損益と評価額を算出しています。
iFreeNEXT FANG+インデックス
過去の実績は将来を保証するものではありません |
iFreeNEXT NASDAQ100インデックス
過去の実績は将来を保証するものではありません |
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
過去の実績は将来を保証するものではありません |
楽天・全米株式インデックス・ファンド
過去の実績は将来を保証するものではありません |
2019年1月から毎月1万円ずつ積立投資を行った場合、15万円の投資額に対して2020年3月27日現在の評価額は以下の通りです。
『iFreeNEXT FANG+インデックス』
166,158円(+10.77%)
『iFreeNEXT NASDAQ100インデックス』
153,549円(+2.37%)
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』
136,291円(-9.14%)
『楽天・全米株式インデックス・ファンド』
133,539円(-10.97%)
マーケットの動揺はしばらく続きそうですが、積立投資で時間分散を試みるのも選択肢の一つでしょうね。
・波乱相場こそ 長期積み立て投資が強みを発揮(NIKKEI STYLE)
・積立投資を学ぶ(大和投資信託)
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主要な資産のリーマン・ショックを含む期間の積立投資の成績は下の記事を参考にしてください。・国内株式・先進国株式・新興国株式・8資産均等型の金融危機を含む過去15年間、毎月1万円の積立投資の成果(評価額)は?
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