『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全世界株式))の運用実績を全世界株式インデックスファンドのライバルだけでなく先進国株式および米国株式インデックスファンドとも比較してみました。
比較の対象は『全世界株式インデックス・ファンド』、『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』、『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』、『楽天・全米株式インデックス・ファンド』(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式))です。
全世界株式・先進国株式・米国株式インデックスファンドの特徴
『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』(楽天投信投資顧問)は、日本を含む世界の株式市場を対象にした「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。投資信託を保有中の運用管理費用(年率)は税込0.222%程度です。
ベンチマークの指数は日本を含む先進国と新興国を合わせた49ヵ国の大型株・中型株・小型株8,936銘柄を組み入れています(2019年10月末現在)。
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス 業種別構成比と国・地域別構成比 2019年10月末現在 |
『全世界株式インデックス・ファンド』(SSGA)と『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』(三菱UFJ国際投信)は、日本を含む世界の株式市場を対象にした「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(年率)は『全世界株式インデックス・ファンド』が税込0.528%、『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』が税込0.1144%です。
ベンチマークの指数は、日本を含む先進国と新興国合せて49ヵ国の大型株と中型株2,853で構成されています(2019年10月末現在)。
MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス 業種別構成比と国・地域別構成比 2019年10月末現在 |
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』(三菱UFJ国際投信)は、日本を除く先進国の株式市場を対象にした「MSCIコクサイ インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
投資信託を保有中の運用管理費用(年率)は税込0.10989%です。純資産総額500億円以上1,000億円未満の部分は税込0.10439%に、1,000億円以上の部分は税込0.09889%に下がります。
ベンチマークの指数は日本を除く先進国22ヵ国の大型株と中型株1,328銘柄を組み入れています(2019年10月末現在)。
MSCIコクサイ・インデックス 業種別構成比と国・地域別構成比 2019年10月末現在 |
『楽天・全米株式インデックス・ファンド』(楽天投信投資顧問)は、米国株式市場の投資可能な銘柄のほぼ100%をカバーした「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(年率)は税込0.162%程度です。
ベンチマークの指数は米国の大型株・中型株・小型株3,541銘柄を組み入れています(2019年10月末現在)。
CRSP USトータル・マーケット・インデックス 業種別構成比 2019年10月末現在 |
今回、取り上げた投資信託は原則として為替ヘッジは行いません。信託期間は、すべて無期限です。
全世界株式・先進国株式・米国株式インデックスファンドの運用実績
下のチャートは『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』設定来2年2ヵ月(2017年9月29日~2019年11月29日)の基準価額の推移を『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』(2018年10月31日設定)を除く競合と比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。米中貿易摩擦や景気後退懸念などにより株式市場は不安定になっています。
基準価額の推移 2017年9月29日~2019年11月29日 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
『eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)』も含めた騰落率の比較は下の表の通りです(2019年11月29日現在)。
下落率は2018年10月4日~同年12月25日の数字、上昇率は2018年12月25日~2019年11月29日の数字、設定来騰落率は2年2ヵ月の数字です。
2019年11月29日現在 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』は中小型株まで幅広くカバーしている分、全世界株式インデックスファンドのライバル(「MSCI ACWI」連動型)に比べボラティリティ(価格変動の度合い)が若干大きめかもしれませんね。
国内株式や新興国株式の出遅れもあり、『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』の設定来の騰落率は先進国株式および米国株式インデックスファンドに劣後しています。
特に米国株式インデックスファンドは好調ですが、割高感の強い米国より出遅れていた米国以外の地域のほうが今後の収益は期待できるのではないかという見方もあります。
・ブルームバーグ「米資産、株・債券・通貨が2020年にアンダーパフォームへ-モルガンS」(WEB)
・ピクテ投信投資顧問「新興国:市場の反転に備えよ」(PDF)
世界の株式を網羅した全世界株式インデックスファンドの巻き返しに期待したいですね。
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