『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』(三菱UFJ国際投信)の運用実績を全世界株式インデックスファンドや先進国株式インデックスファンドのライバルと比較してみました。
比較の対象は『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』(楽天投信投資顧問)、『たわらノーロード 先進国株式』(アセマネOne)、『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』(ニッセイAM)です。
先進国株式および全世界株式インデックスファンドの特徴
『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』、『たわらノーロード 先進国株式』、『<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド』は、日本を除く先進国の株式市場を対象にした「MSCIコクサイ インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。投資信託を保有中の運用管理費用(年率)は税込0.10989%程度です。『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』のみ純資産総額500億円以上1,000億円未満の部分は税込0.10439%に、1,000億円以上の部分は税込0.09889%に下がります。
ベンチマークの指数は先進国22ヵ国の大型株と中型株1,328銘柄を組み入れています(2019年10月末現在)。
MSCIコクサイ・インデックス 業種別構成比と国・地域別構成比 2019年10月末現在 |
『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全世界株式))は、日本を含む世界の株式市場を対象にした「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」(円換算ベース)に連動する投資成果をめざします。
運用管理費用(年率)は税込0.222%程度です。
ベンチマークの指数は先進国と新興国を合わせた49ヵ国の大型株・中型株・小型株8,936銘柄を組み入れています(2019年10月末現在)。
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス 業種別構成比と国・地域別構成比 2019年10月末現在 |
今回、取り上げた投資信託は原則として為替ヘッジは行いません。信託期間は、すべて無期限です。
先進国株式および全世界株式インデックスファンドの運用実績
下のチャートは『eMAXIS Slim 先進国株式インデックス』と『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』の過去2年間の基準価額(2017年11月27日~2019年11月25日)の推移を比べたものです。比較しやすいよう起点の基準価額を1万円に統一しています。米中貿易摩擦や景気後退懸念などにより株式市場は不安定になっています。
基準価額の推移 2017年11月27日~2019年11月25日 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
先進国株式インデックスファンドの競合も含めた騰落率の比較は下の表の通りです(2019年11月25日現在)。
下落率は2018年10月4日~同年12月25日の数字、上昇率は2018年12月25日~2019年11月25日の数字です。
2019年11月25日現在 過去の実績は将来の成績を保証するものではありません |
まとめ
先進国株式インデックスファンド同士では、より積極的に信託報酬率の引き下げを実施してきたファンドほど好成績です。とはいえ先進国株式インデックスファンドの騰落率は僅差ですし、低コスト競争も限界に近づいているかもしれませんね。上記の3本なら、どれを選んでも運用成績に劇的な差はつかないものと思われます。
米国の一人勝ちもささやかれていた上記の期間では、米国の比率が高い先進国株式インデックスファンドが全世界株式インデックスファンドを上回る成績でした。
その一方で割高感の強い米国より、出遅れていた米国以外の地域のほうが今後の収益は期待できるのではないかという見方もあります。
・ブルームバーグ「米資産、株・債券・通貨が2020年にアンダーパフォームへ-モルガンS」(WEB)
・アセマネOne「出遅れセクター・地域の株価動向に注目」(PDF)
世界経済の成長の恩恵を受けるべく国際分散投資を重視するなら、全世界株式インデックスファンドも魅力的な選択肢でしょうね。
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